いつだって一寸先は闇

をたくの備忘録です。

『虎者-NINJAPAN-』とは何だったのか

2020年10月26日

ジャニーズJr.のTravisJapanが主演を務める舞台、『虎者-NINJAPAN-』の昼公演の配信を視聴した。

 

昨年はTravisJapanのメンバーの名前を半分言えるか言えないかのレベルであった私だが、現在、幸福度No.1グループ(公式)であるTravisJapanを楽しく応援している。

(つまり新規である上に昨年の虎者を鑑賞していないので、その点はご了承いただきたい)

 

(追記:以下より「虎者」という語は主に一幕を指す)

 

「虎者」を見て一番に湧いた感情は、「これは、舞台と呼ぶものなのだろうか?」というものだ。

 

 

私は舞台鑑賞が大好きだ。本当に好きだ。以前は所謂”舞台界隈”にいた。

 

自分とたった数mしか離れていない舞台にはまるで違う世界が広がっていて、その舞台では、自分と同じ人間とは思えない程にエネルギーに満ちた人々が”役として”生きている。

ひとつひとつの言葉回しはもちろん、呼吸、瞳の動き、全ての瞬間がその”役”として舞台上にある事を感じ取ることができるのが好きだ。

 

 

まず、今回の「虎者」におけるTravisJapanは「素晴らしい」の一言に尽きると思う。

活力に満ちていて、一人一人がそれぞれの輝きを持っていた。自分自身は劇場にいないものの、映像からエネルギーを感じ取ることのできるほどであった。7人全員が、この作品にまっすぐ、真摯に向き合い、今出せる自分の力を全て注いでいる。そんなことが伝わる素敵な時間をプレゼントしてもらった。

 

その姿勢を感じ取ったからこそ、この問いをもう一度投げかけたいと思う。

 

 

「これは、舞台と呼ぶものなのだろうか?」

 

 

①TravisJapanの台詞量

率直に申すと強烈に少ない。

正直、カゲロウの方が台詞量が多いんじゃないかと思うくらいだ。最初の台詞(各々の場所から父上誘拐の話をする場面)から次の台詞まで、体感1時間くらい(実際は15分ほどであろうが)台詞がなかったように感じた。

時間の都合上かも知れないが、舞台として、観客に内容を伝える・感情を伝えるためにはあまりにも少なすぎる台詞量であるという印象を受けた。

純粋に、もっと役として話すTravisJapanのメンバーが見たかった。

 

 

②パフォーマンス時間の扱い

事前に目にした雑誌などでも、パフォーマンスの完成度が本公演のウリであることが言われていたが、その通りであり、とても魅力的なパフォーマンスばかりであった。タップ・トランポリン・映像とのコラボレーションなど、”TravisJapanだからこそできる”ようなパフォーマンスが多くあり、軽い言葉にはなってしまうが、感動した。

が、しかし。公演を見終わった今。冷静になった今。

あのパフォーマンスは何を表していたのか?とイマイチわからない場面が多々ある。それは舞台という表現芸能として良い構成と言えるのだろうか。

 

加えて、殺陣の時間の少なさについても触れたい。

「忍者」がテーマであると伺っていたので、殺陣が見れることは期待していた。実際、殺陣シーンはあったが、あまりにも短すぎる。殺陣が危険を伴うこと、難易度が高いこと、たくさんの練習が必要なことは重々承知している。TravisJapanは本当に忙しい。だから、稽古時間との兼ね合いかも知れない。けれど、私はもっとTravisJapanの殺陣が見たかった。彼らの身体能力の高さを存分に発揮した殺陣が見たい。バキバキの戦いが見てみたい。そんなふうに思った。

 

 

③人物設定の浅さ

まず、登場人物に役名がないということが一番理解できない。

なぜ敵方に「カゲロウ」「ハヤブサ」という名前を持つ人物が登場するのにも関わらず、主演である「虎者」達にはそれぞれの名前がないのか。これはシンプルに理解しかねる。

 

続いて、個人的3大トンチキキャラについて疑問点と共に記す。こちらも、何を狙ってこのような人物像になったのか、想像もできない。

ちなみに、これらは役者の演技について申し上げているものではなく、作品における”役”についてである。

(1)父上   改心したら過去の悪行も許されるのか?それが本当の平和?

(2)カゲロウ 最後強大化?

(3)ハヤブサ 何がしたいの???

正直、どの役も役者の熱量が素晴らしかったからこそ成り立っていたとしか言えないのではないか。

 

 

 

”舞台”と表記するならば、舞台を見せて欲しい。今回の公演は、どちらかというと”ショー”に近かったのではないだろうか。

 

ショーと舞台は同じではない。

 

例えるならば、高級カルフォルニアロールだ。

(これが正しい表現なのか今自分でもよくわからない)

 

本場の寿司とはかなり違うけれど、とってもおいしい。ただ、これを寿司と呼ぶことはちょっとはばかられる、そんな印象である。

カルフォルニアロールもおいしくて大好きだ。大好きだけれど、私は、”寿司”と銘打つなら寿司が出てきて欲しい。

 

来年がどうなるかは誰にも予想できないが、内容と名目が一致したら良いなと思う。

 

役者の方々が全身全霊だったからこそ、脚本や構成において非常に気になる部分が多く見受けられたと感じる。

 

 

つらつらと持論を述べてしまったが、結論として、この舞台には伸びしろしかないのである。

なんてったって主演はTravisJapanだ。

 

 

 

『虎者-NINJAPAN-』とは何だったのか。

 

 

 

ただ一貫して言えることとして、TravisJapanは、「虎者-NINJAPAN-」は、私に幸せを与えてくれた。

 

素人がいろいろ文句をたれてしまったが、そのことだけは強調しておきたい次第である。

 

 

 

 

 

~余談~

HappyGroovyのアレンジ、本当に最高ですね。「思い切って歌割り変えちゃおう!」と思いついた人誰ですか?天才です。